慶事で使われる赤い色の時間感覚への変化

慶事である結婚式。この行事には、たくさんの赤いアイテムが登場します。神式の結婚式などでは、式殿に向かう道に緋毛氈が敷かれます。教会式の場合ですと、カトリックでの正式な結婚式では、赤のバージンロードが伝統のようです。また、披露宴会場に行くと、会場の絨毯は赤いものが多く、晴れやかな雰囲気を演出しています。

このように赤いアイテムが多く使われる理由は、華やかな雰囲気の演出のためだけではありません。赤という色は、とても強烈な印象を残すため、それを見た人間に、時間を長く感じさせる色なのです。

特に披露宴の場合、乾杯やスピーチ、お色直しやキャンドルサービスなど、沢山のイベントを、会場の使用時間以内に全てこなさなくてはなりません。冷静に時間を計算してみると、大変タイトなスケジュールとなっています。

せっかくのおめでたい式なのに「慌ただしい式だったね」という感想を持たれてしまっては、新郎新婦や親族はもちろん、列席した招待客にも良い印象を残しません。ですので、赤いアイテムを多用し、時間を長く感じさせることで、慌ただしいと感じさせないよう工夫しているというわけです。

新郎新婦がやりたいことによっても異なりますが、オプションとしてのイベントは、増えれば増えただけ、結婚式場としても利益に繋がります。少々経費がかかっても、赤のアイテムをたくさん取り入れることは、業者側のメリットにもなっているのです。